TVer広告の料金・ターゲティング・出稿方法をプロが解説

「テレビ離れが進む若年層にアプローチしたい」「YouTube広告以外の動画広告を探している」 企業のマーケティング担当者様なら、このような課題をお持ちではないでしょうか。
その解決策として今、注目を集めているのがTVer(ティーバー)広告です。
この記事では、企業の広告担当者様に向けて、TVer広告の基本から具体的な料金、ターゲティング手法、出稿方法まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。出稿を判断するための実務的な情報を網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
TVer広告とは?仕組みと特徴

まず、TVer広告がどのような広告なのか、その仕組みと特徴から見ていきましょう。
TVer広告とは、民放公式テレビ配信サービス「TVer」上で配信される動画広告のことです。テレビ番組の間に流れるCMのように、コンテンツの再生前(プレロール)や再生中(ミッドロール)に挿入されます。
テレビ局が制作した高品質で安全なコンテンツ内で配信されるため、企業のブランドイメージを損なうリスクが極めて低いのが大きな特徴です。
TVerの媒体特性とユーザー層
TVerは、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビといった民放各局が連携して運営する公式の動画配信プラットフォームです。
- 圧倒的な利用者数 月間アクティブユーザー数(MAU)は3,500万人を超え、月間動画再生数も4.5億回を突破するなど、国内最大級の動画メディアへと成長しています。(2024年1月時点) (参考:https://biz.tver.co.jp/)
- テレビではリーチしにくい若年層・中年層が中心 ユーザーの約半数がF1層(20~34歳女性)、M1層(20~34歳男性)で構成されており、テレビCMだけではアプローチが難しくなっていた層に情報を届けられます。
- コネクテッドTVでの視聴が増加 視聴デバイスの約3割がコネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ)となっており、リビングの大きな画面で、家族と一緒に視聴されるシーンも増えています。これは、個人視聴が中心のスマホ広告とは異なる大きな強みです。
テレビCM・YouTube広告との違いを比較
TVer広告は、よくテレビCMやYouTube広告と比較されます。それぞれの違いを理解することで、TVer広告の立ち位置がより明確になります。
| 比較項目 | Tver広告 | テレビCM | YouTube広告 |
|---|---|---|---|
| 信頼性・安全性 | ◎(放送局コンテンツ) | ◎(放送基準) | △(UGCもあり玉石混交) |
| 視聴完了率 | ◎(スキップ不可) | ◎(視聴が前提) | △(スキップ可能が多い) |
| ターゲティング | 〇(デモグラ、興味関心など) | △(番組や時間帯のみ) | ◎(Googleデータで高精度) |
| 最低出稿費用 | 〇(約50万円~) | ×(数百万円~) | ◎(数円から可能) |
| 主なリーチ層 | 若年~中年層 | 中高年層 | 全世代(特に若年層) |
TVer広告は、テレビCMが持つ「信頼性」や「高い視聴クオリティ」と、デジタル広告が持つ「精緻なターゲティング」を両立させた、ハイブリッドな広告媒体と言えるでしょう。
MUB広告と呼ばれる配信の仕組み
TVer広告を調べていると「MUB広告」という言葉を目にすることがあります。
MUB(Multi-Platform Union for Video ADs)とは、TVerだけでなく、各放送局が運営する自社サービス(日テレTADA、TBS FREEなど)やシンジケーションサイトへも広告を一括で配信できる広告商品のことです。
TVer広告に出稿するということは、実質的にこのMUBのネットワークに配信することになり、より多くの優良な動画プラットフォームで広告を届けられるというメリットがあります。
TVer広告の料金・費用・種類
広告出稿を検討する上で最も気になるのが、料金や費用ではないでしょうか。ここでは、TVer広告の具体的な料金体系について解説します。
広告メニュー別の料金プランと最低出稿金額
TVer広告には、大きく分けて2つの広告メニューがあります。
- 運用型広告 オークション形式で広告枠を買い付ける、一般的なWeb広告と同じ仕組みです。予算や期間、ターゲティングを柔軟に設定できます。多くの企業はこちらのプランを利用します。最低出稿金額は広告代理店によって異なりますが、おおむね50万円程度からが目安です。
- 予約型広告(PMP) 特定の番組や期間を指定して、広告枠をあらかじめ買い取る仕組みです。「このドラマの視聴者にだけ広告を見せたい」といった場合に有効です。確実にリーチできる反面、料金は高額になる傾向があり、最低出稿金額は数百万円からが一般的です。
課金形態(CPCV・CPM)と費用目安
TVer広告の主な課金形態は「CPCV」と「CPM」の2種類です。
- CPCV(Cost Per Completed View) 広告動画が最後まで完全に視聴された場合にのみ、費用が発生する形態です。TVer広告の主流であり、広告メッセージを確実に伝えたい場合に適しています。費用目安は1再生あたり数円~数十円ですが、ターゲティングの条件によって変動します。
- CPM(Cost Per Mille) 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する形態です。とにかく多くの人に広告を見せて、ブランドや商品の認知度を高めたい場合に適しています。
どちらの課金形態を選ぶかは、広告の目的によって決まります。商品理解や比較検討を促したいならCPCV、とにかく広く知ってもらいたいならCPMがおすすめです。
広告の種類と秒数などの入稿規定
TVer広告で配信できる動画には、いくつかの規定があります。
- 広告の秒数 6秒、15秒、30秒、60秒が基本です。テレビCMで使っている15秒や30秒の素材を、そのままTVer広告に流用することも可能です。
- 入稿規定 ファイル形式(MP4など)、アスペクト比(16:9が主流)、ファイルサイズ、音声レベルなど、細かい技術仕様が定められています。
- 広告審査(考査) 配信されるすべての広告は、テレビCMと同様に、**放送基準に基づいた厳格な審査(考査)**が行われます。業種や表現によっては掲載できない場合があるため、事前に広告代理店に確認することが重要です。
TVer広告のターゲティング手法

TVer広告の大きな強みの一つが、精度の高いターゲティング機能です。テレビCMでは実現できない、特定のユーザー層に絞った広告配信が可能です。
デモグラフィックターゲティング
TVerの会員登録情報やアンケート結果に基づき、以下のような属性でユーザーを絞り込めます。
- 年齢(例:20~34歳)
- 性別(例:女性)
- 世帯年収
- 子供の有無
精度の高いデモグラフィック情報に基づいて配信できるため、自社のターゲット層に効率的にアプローチできます。
エリアターゲティング
都道府県単位や市区町村単位で配信エリアを指定できます。
店舗への来店を促したい場合や、特定の地域でキャンペーンを実施する場合などに非常に有効です。テレビCMでは難しい、地域に密着した広告展開が可能になります。
オーディエンスターゲティング
ユーザーの行動履歴や興味関心に基づいてターゲティングする手法です。
- 興味関心ターゲティング 「旅行」「グルメ」「ファッション」「スポーツ」など、特定のカテゴリに興味があるユーザーに配信します。
- リターゲティング 自社のウェブサイトを訪問したことがあるユーザーに対して、再度広告を配信する手法です。購入を迷っているユーザーの背中を押す効果が期待できます。
- 類似ユーザーターゲティング(Lookalike) 既存の顧客やサイト訪問者と似た行動特性を持つユーザーを探し出して、広告を配信します。新規顧客の獲得に繋がります。
コンテンツターゲティング(番組ジャンル指定)
広告を配信する番組のジャンルを指定できます。
- ドラマ
- バラエティ
- アニメ
- スポーツ
- 報道・ドキュメンタリー
例えば、ビジネスパーソン向けの商品であれば報道・ドキュメンタリー番組に、若者向けの商品であればドラマやバラエティに配信することで、広告とコンテンツの親和性を高め、より高い効果を狙うことができます。
TVer広告の出稿方法と配信までの流れ
「実際にTVer広告を出稿するにはどうすればいいの?」という疑問にお答えします。Tver広告は、以下のステップで出稿を進めるのが一般的です。
ステップ1. 広告代理店へ問い合わせ
TVer広告は、原則として広告代理店を通じて出稿します。まずは、TVer広告の取り扱いがある広告代理店を探し、問い合わせることから始めましょう。
代理店は、出稿プランの相談からクリエイティブ制作、配信設定、効果測定までトータルでサポートしてくれます。
ステップ2. 申込とアカウント開設
出稿の意思が固まったら、代理店を通じて申込手続きを行います。広告主の情報などを登録し、TVer広告を配信するための専用アカウントを開設します。
ステップ3. クリエイティブ入稿と審査
配信したい広告動画(クリエイティブ)を代理店経由で入稿します。入稿された動画は、前述の通り、放送基準に準拠しているかどうかの厳格な考査を受けます。審査には数営業日かかる場合があるため、スケジュールには余裕を持っておきましょう。
ステップ4. 配信設定とキャンペーン開始
審査を無事に通過したら、いよいよ配信設定です。
- 予算
- 配信期間
- ターゲティング条件
これらの設定を管理画面で行い、キャンペーンを開始します。配信開始後も、代理店が効果測定を行いながら、最適な運用をサポートしてくれます。
TVer広告の効果と成功事例
TVer広告に出稿することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。
計測できる主要な広告効果指標
TVer広告では、デジタル広告ならではの多様な指標で効果を測定できます。
- インプレッション数:広告が表示された回数
- リーチ数:広告が届いたユニークユーザーの数
- 視聴完了数:広告が最後まで視聴された回数
- 視聴完了率(VTR):広告が表示されたうち、最後まで視聴された割合
- クリック数:広告がクリックされた回数
- コンバージョン数:広告経由での商品購入や資料請求などの成果数
これらのデータを分析することで、キャンペーンの成果を可視化し、次の施策に活かすことができます。
業種・目的別の出稿成功事例
TVer広告は、様々な業種・目的で活用され、成果を上げています。
- 化粧品メーカーの事例 F1層(20~34歳女性)をターゲットに設定し、ドラマやバラエティ番組に広告を配信。テレビCMではリーチしきれなかった若年層へのブランド認知度を大幅に向上させました。
- 自動車メーカーの事例 新型車種のプロモーションで、コネクテッドTVでの視聴者をメインターゲットに設定。リビングの大画面で高品質な動画広告を配信し、95%以上という非常に高い視聴完了率を達成。ブランドイメージの向上に貢献しました。
- 食品メーカーの事例 主婦層をターゲットに、平日の昼間の情報番組やドラマのジャンルに絞って広告を配信。ターゲット層に効率的にリーチし、商品サイトへの誘導数を大きく伸ばしました。
詳細な媒体資料の入手方法
この記事でご紹介した内容以上に、さらに詳しいデータや最新の事例、料金プランを知りたい場合は、公式の媒体資料を確認するのがおすすめです。
TVer広告の公式サイトや、取り扱い広告代理店のウェブサイトからダウンロードできますので、情報収集に役立ててください。 「TVer広告 媒体資料」などで検索してみましょう。
TVer広告に関するよくある質問
最後に、TVer広告に関してよく寄せられる質問にお答えします。
広告が多すぎ・スキップできない理由は?
視聴者としてTVerを見ていると「広告が多い」「スキップできない」と感じることがあるかもしれません。
これは、TVerが無料で高品質なテレビ番組を提供するためのビジネスモデルだからです。広告収入によって運営が成り立っています。また、広告をスキップ不可にすることで、広告主に対して「広告が最後まで見られる」という価値を保証しています。これは、広告主にとっては大きなメリットです。
広告ブロックは機能する?
一般的なウェブサイトの広告を非表示にする「広告ブロックツール」は、TVerの広告に対しては機能しない、または機能しにくい場合がほとんどです。
TVerは独自の配信システムを採用しており、広告がコンテンツの一部として組み込まれているため、ブロックツールで判別・除去することが難しくなっています。これも、広告主から見れば、広告が確実にターゲットに届くという利点になります。
個人でも出稿できる?
現状、TVer広告は法人向けのサービスとなっており、個人での出稿は原則として受け付けていません。
出稿を希望する場合は、事業として広告代理店に依頼する必要があります。最低出稿金額のハードルもあるため、基本的には企業向けの広告媒体と理解しておきましょう。
まとめ
今回は、TVer広告について、その仕組みから料金、ターゲティング、出稿方法までを網羅的に解説しました。
最後に、TVer広告の重要なポイントをまとめます。
- テレビCMの信頼性とデジタル広告のターゲティング精度を両立
- テレビ離れの進む若年層・中年層に効果的にリーチできる
- スキップ不可のため視聴完了率が非常に高く、メッセージが伝わりやすい
- 最低出稿金額の目安は50万円からで、代理店経由での出稿が基本
TVer広告は、既存の広告手法に課題を感じている企業にとって、非常に強力な選択肢となり得ます。テレビCMほどの莫大な予算はかけられないけれど、ブランドイメージを大切にしながら、狙ったターゲットに動画広告を届けたいというニーズに最適なソリューションです。
この記事を読んでTVer広告に興味を持たれた方は、ぜひ一度、株式会社サムライにご相談ください!